雑記
急遽移転。色々ごった混ぜの闇鍋状態。本家はhttp://kindlywind.xxxxxxxx.jp/
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リン、と。
鈴よりも遥かに澄んだ音が響く。
夏終わりの風鈴
「やっぱり夏には風鈴が似合うと思うな、私は」
「…珍しいことをいうな、葉月」
昼下がりの部屋の中。
いつもよりほんの少し明るい色の(きっとそれでもまだ一般的には暗いけれど)シャツを着た祐哉は、いつもと同じく読書中。
対して私は暇を持て余して久しぶりに出てきた風鈴を突付いていた。
とはいっても、部屋の中はしっかり冷房で温度調節をしてある。
まぁ、自分でも珍しいとは思う。
私はあまりそういうことに拘らない。
「んー。これ、高かったんだよね。ホラ、ガラスものだから」
「あぁ。それは判るが。そういう、ものか」
「ガラス細工は好きだからね。割と集めてもいるし」
「窓を、開けるか?」
尋ねつつ、祐哉は既に体を起こしている。
「え、いいよ別に。せっかくクーラー付けてるのに」
「俺は、構わない。それに風鈴は吊るさないと意味がないだろう」
「じゃあ、お願い」
ああ、と無愛想に返ってきた返事に風鈴を託す。
リンリン、と吊るす時の衝撃でそれが鳴る。
開けた窓から夏らしい空気が流れてくる。窓ガラス越しよりも尚鮮やかな青空が広がっている。
「綺麗だな」
「うん、そうだね」
光に照らされて輝いている風鈴が、またリン、と鳴った。
鈴よりも遥かに澄んだ音が響く。
夏終わりの風鈴
「やっぱり夏には風鈴が似合うと思うな、私は」
「…珍しいことをいうな、葉月」
昼下がりの部屋の中。
いつもよりほんの少し明るい色の(きっとそれでもまだ一般的には暗いけれど)シャツを着た祐哉は、いつもと同じく読書中。
対して私は暇を持て余して久しぶりに出てきた風鈴を突付いていた。
とはいっても、部屋の中はしっかり冷房で温度調節をしてある。
まぁ、自分でも珍しいとは思う。
私はあまりそういうことに拘らない。
「んー。これ、高かったんだよね。ホラ、ガラスものだから」
「あぁ。それは判るが。そういう、ものか」
「ガラス細工は好きだからね。割と集めてもいるし」
「窓を、開けるか?」
尋ねつつ、祐哉は既に体を起こしている。
「え、いいよ別に。せっかくクーラー付けてるのに」
「俺は、構わない。それに風鈴は吊るさないと意味がないだろう」
「じゃあ、お願い」
ああ、と無愛想に返ってきた返事に風鈴を託す。
リンリン、と吊るす時の衝撃でそれが鳴る。
開けた窓から夏らしい空気が流れてくる。窓ガラス越しよりも尚鮮やかな青空が広がっている。
「綺麗だな」
「うん、そうだね」
光に照らされて輝いている風鈴が、またリン、と鳴った。
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